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520円 1998年から2001年にかけて雑誌に掲載された8編に、書き下ろしの2編を加えた辻仁成の初の短編集。1989年の『ピアニシモ』で作家デビューして以来、第一線で活躍し続ける辻の円熟味を増した手腕をあらためて実感させる、粒ぞろいの佳作が並んでいる。
ネネは彼氏であるヒムロが、自分のことを「目下(もっか)の恋人」と他人に紹介するのが気に入らない。「当面の」という意味にひっかかりを覚える彼女は、ある日、祖父の見舞いに出かけるというヒムロに強引について行き、そこで意外な真実を知らされる(表題作「目下の恋人」)。
10のストーリーは恋愛や友情、結婚、家族といった、人と人との関